今日の言の葉 

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7/31  昨日に続いて三十日関連だが、「つごもり」という言葉をご存知だろ
     うか。「つごもり」は漢字で「晦」と書く。「みそか」のことである。
      しかし、「みそか」が「三十日目」を表すのに対して、「つごもり」
     は特定の日数を表さない。これは「月がこもる」という意味の言葉であ
     る。「つきごもり、つきごもり、つきごもり、つごもり……」
      旧暦では三十日は新月の日で、月は出ない。まさに「月籠もり」であ
     る。月のでない日のことを「つごもり」と呼ぶのだから、「おおつごも
     り=大晦日」は、絶対に月の出を許してはいけないはずだ。しかるに、
     新暦の場合、十二月三十一日が新月になる確率は三十分の一程度である。
      太陽暦と太陰暦、どちらが便利なのであろうか。
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7/30  「十」をどう読むかというと、「とお」である。そして、「そ」である。
     「三十一文字」を「みひともじ」と読み、「山本五十六」という人を
     「やまもといろく」と読む。これを知ったのはいつのことだったか。
      さて、そういうわけだから、三十代を「三十路(みじ)」といい、四
     十代を「四十路(よじ)」という。こうして、「五十路(いじ)」「六
     十路(むじ)」「七十路(ななじ)」「八十路(やじ)」と呼ぶ。その次
     は「九十路」であるが、こちらは「ここのじ」と読む。ふりがなをつ
     けないと、「くそじ」と読んでしまいそうだ。(いや、たった今、読み違
     えた人が何人かいる。)
      さて、本日は「三十日」なので、「み」「」「か」である。「大みそか」
     とは各月の「三十日(みそか)」の総締めくくりということか。すると、
     十二月三十一日は、みそかと呼ぶには一つ余分だ。昔は今とは違うカレ
     ンダーを使っていたのだから当然かもしれないが、当の十二月にしても、
     二月に一日明け渡して自分は三十日止まりにするなどの努力をするべき
     だと思う。そうすれば、名実ともに「大みそか」になれるのだし、二月
     だって、二十八日しかないことを恥ずかしがらなくても済む。
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7/29  コンビニでそうめんを買った。上越特産熟成そうめんだそうだ。包装
     をよく見ると、
      ※同じ生産工程で「そば」をふくんだ食品を扱っております。
     とあるではないか。ううむ、ソバアレルギー恐るべし。ソバは微量でも
     大きな影響があるということか。製造ラインは毎回徹底して洗浄してい
     ると思うが、それでもこの注意書きである。もしものことはないとは言
     えない。
      ところで、そうめんの方は、大変おいしく食べることができた。包装
     に「ゆでて、すぐ水々しいうちに召し上がっていただくと格別です」と
     書かれていたのを守ったつもりだ。
      あれ?
      ものがそうめんなだけあって水っぽいのは分かるが、なにより、言葉
     の使い方が間違ってはいまいか。(「水々しい」よりは、「瑞々しい」と
     書いてほしいこともあるが。)インフォシーク辞書を見ようか。
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      みずみずし・い 【瑞瑞しい/水水しい】
      (1)つやがあって若々しい。つやつやと輝いている。
      (2)若々しく新鮮である。
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      そうめんが若々しい間に食べねばならない、というのは、賞味期限を
     守れということだと曲解して今日のコラムを終わる。
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7/28  國學院大學は、旧字体の名前を持つ大学だ。伝統を重んじるすばらし
     い姿勢だと思う。その図書館には古典関連の膨大な資料があり、これら
     をネット上に公開している。資料には次のようなものがあるが、とても
     数え切れない。
      萬葉集    古事記    伊勢物語   ものくさ太郎
      竹取物語絵巻 酒呑童子絵巻 古今和歌集  後撰和歌集  
       新古今和歌集 狭衣     曾我物語   太平記    
       竹取物語   熊野那智参詣曼荼羅<掛軸>
      以上は資料のタイトルの一部である。これらを「画像」で公開すると
     ころがうれしい。
      さて、求める画像のタイトルやサムネイルをクリックするにつれ、資
     料画像が表示されていくが、
     「画像をクリックすると低精細画像を表示します」
     とあったのには驚いた。これをクリックすると、
     「画像をクリックすると中精細画像を表示します」
     さらに、
     「画像をクリックすると高精細画像を表示します」
     とコメントが付くではないか。      →

      精細さの段階は三段階だ。ボクは精細なものは高精細に決まっている
     と思っていたので、「低精細」と書かれて驚いた。知らなかった。そう
     いう言葉があったのだ。
      ずっと以前に「難易度が高い」という表現について意見を書いたが、
     似たような問題を感じている。
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7/27  女房詞について書いてしばらくになるが、このほど、この言葉の歴史
     上の位置が分かった。室町時代初期に宮中に仕える女官たちが上品な言
     葉遣いとして使い始めた隠語表現のことだという。思ったより新しいも
     のだったのだ。
      女房詞の代表は「お」のつく単語である。腹は「おなか」、強飯(こ
     わめし)は「おこわ」、欠餅(かきもち)は「おかき」と呼ぶなどの例
     があり、これらは今も現役選手である。
      吸い物を「御付け」というのもこの類だ。飯に並べて付けられるので
     こう呼んだものが意味を広げ、味噌汁を指すようになったが、「おつけ」
     が定着すると、もっと丁寧に言いたくなる。そういうわけで「御」をつ
     けたのが「御お付け(みおつけ)」で、それも当たり前になると、さらに
     「お」をつけたくなったようだ。こうして「おみおつけ」という言葉が
     生まれたらしい。
      これを漢字で書くと「御御御付」となる。ウソだと思ったら辞書を引
     くことだ。ばかばかしいようだが本当に載っている。
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7/26  ある言葉の意味が昔からそうだったのか、あるいは変わってしまった
     のか、わからなくなることがときどきあるが、今、僕が不安に思うのは、
     「天衣無縫」の意味である。これまでは「作為がなく、しかも完璧な」
     という意味だと思ってきた。特に詩などの作品に使うもので、天人の着
     物に縫い目がないところから生じた言葉だと、ぼくはそう思ってきた。
      ところがこのほど、長嶋番という女性記者が亡くなったことをテレビ
     が報道した折に、その人柄を「天衣無縫」と表現したのを耳にして、何
     かおかしなことになっていると感じ取った。このときは、前後の関係か
     ら、これは「天真爛漫」と言いたいのだと判断できたのだが、意味の違
     いを辞書で確認したくなり、インフォシーク辞書を頼ってみた。
      ところが、ボクの期待を裏切って、そこには次のように書かれていた。
      てんい-むほう 1 【天衣無縫】
          〔天女の衣には縫い目がないということから〕
          (1)詩歌などにわざとらしさがなく自然に作られていて、しかも美しいこと。
          (2)性格が無邪気で飾り気がない・こと(さま)。天真爛漫(てんしんらんまん)。
           「―な人柄」
      (2)を見ると、「天真爛漫」と意味は同じである。だから、だれかの人柄
     を評して「あの人は天衣無縫だ」と言うことができるわけだ。
      ボクはここにこそ驚いたが、同じように驚きを感じた人がいただろう
     か。長い間の勘違いだったのか、それとも言葉が意味を広げてしまった
     のか、そのどちらかである。辞書はインフォシーク辞書である。という
     ことは、「大辞林 第二版」である。

      みなさんはどうお感じだろうか。差し支えなければ、ご意見を頂戴し
     たい。→こちらへ
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7/25  しばらく前に十六銀行について書いたが、全国の番号付き銀行のリス
     トを作ってみた。

      ★第三銀行   三重県 松阪市
       第四銀行   新潟県 新潟市
      ★十六銀行   岐阜県 岐阜市
       十八銀行   長崎県 長崎市
       七十七銀行  宮城県 仙台市
      ★八十二銀行  長野県 長野市
      ★百五銀行   三重県 津市 
      ★百十四銀行  香川県 高松市
      (★は見たことのある銀行)

      現在の「みずほ銀行」は、統合前は「第一勧業銀行」(なつかしい)だっ
     た。「第一」というところがあやしいと思っていたが、やはり日本の最
     初の銀行で、創立のころには「第一国立銀行」という名前だったらしい。

      面白いのは、番号が若くて一桁の銀行は頭に「第」がついて、桁数が
     増えるとそれがつかないという法則があること。「三銀行」「四銀行」
     では、しまりが悪そうで心配だし、「第百十四銀行」だと監獄みたいだ
     からだろうか。「第」は適度な緊張感を与えてくれる言葉だ。そういえ
     ば「一学期の終業式」も、開式の言葉では「第一学期終業式」となって
     いた。
      ところで、「八十二銀行」は、旧「第十九銀行」と旧「第六十三銀行」の
     足し算だということも判明した。そんなことでいいのか?
      統合はこんなドラマも生むのだ。

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7/24  アサヒ・コムの対応の早さには舌を巻く。一昨日ボクが発見したホー
     ムページ上の誤りは、深夜、メールにて指摘したが、翌日午前11時に
     は、朝日新聞社当該部署より訂正を趣旨としたメールが届いている。

     こちらは朝日新聞社・著作権センターです。
     日頃は朝日新聞並びにasahi.comをご愛読いただき、
     有難うございます。

     当社サイトhttp://weather.asahi.com/
     にある「日本近郊」の表現が不適切ではないか、との
     ご指摘を頂戴しました。
     早速、当該部署に相談しましたところ、ご指摘のとおり
     考えられるので「日本付近」という表示に変更したい旨
     の提案がありました。

     以上ご連絡申し上げます。
     今後も、朝日新聞とasahi.comをよろしくお願いいたします。

      このようなメールを受信したころには、疑問を感じたホームページは
     すでに痕跡を残さず更新がなされていたので、本コラムを見て間違い探
     しに乗り出した熱心な読者にはあいにくだった。何一つ問題のないペー
     ジに変化してしまっていたのだ。
      午前11時までに「あ、日本近郊と書いてあるけど、これじゃ日本中
     が都会ということになる」「カラフトも太平洋も近郊か」と感じ取った
     人がいたら、すばらしいことだと思う。(実力+運)
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7/23  アサヒ・コムというと、朝日新聞の経営するサイトだろうか。ニュー
     スから天気予報まで、幅広く情報を提供してくれる優良サイトだと認識
     している。その割に見ていなかったのだが、夏休みに入って、帰宅が早
     くなったので、文化面からたどって気象情報までたどり着いた。
      アドレスは以下のとおりである。

      http://weather.asahi.com/

      ボクはこのページに、言葉の問題を感じ取った。興味があって確認し
     たい人は、アドレス欄にコピーするか、打ち込むなどして見に行ってほ
     しい。何の問題か、すぐに分かった人は、日本語について日頃から考え
     る習慣がついている人だと思う。答えを出すのは、本日は控えておこう。
     ボクがどんな問題を感じたか、知りたい人は、明日まで待ってほしい。
     答え合わせである。
      問題を指摘して揚げ足を取るのが趣旨ではないので、早速アサヒ・コ
     ムに連絡をしたが、応答はあるのだろうか。
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7/22  コンビニの前に集まって野球の打率について話す人たちを見た。

     「ばーか、松井もイチローも、五十歩百歩だよ」
     「そう、松井が五十歩イチローは百歩ってこと」
     
      日本語はついにここまで来たか……。
      若い世代のために、ここでの間違いを指摘しておきたい。

     1.「五十歩百歩」は、良くないもの同士の間で、その本質に差のない
      ことをいう言葉である。だから、日本で優れた成績を残し、海外で活
      躍する選手のことを言いたいときには、こんな言葉を使うのは当たら
      ない。そういう場合は「甲乙つけがたい」と言えばよい。
     2.「五十歩百歩」というとき、「五十歩」は「百歩」より少しはマシ
      である。これは戦場で逃げた歩数を言うわけだからだ。だから、仮に
      松井のことを悪く(低く)言いたかったら、松井の方を「百歩」にしな
      ければおかしい。
     3.発音は「ゴジッポヒャッポ」であるべきだ。岐阜県人はそんな発音
      が身に付いていないが、共通語かどうかとか、そんな問題ではない。
      この意見は、簡単に共感を得られるところではないが、過去とのつな
      がりを断ち切りたくなければ「ゴジッポ」と言ってほしい。
                         (関連記事は6/20に掲載)
      この言葉について辞書で調べたい人はここへ。
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7/21  辞書を引いていたら、「饑」という文字に出くわした。読み方は「ひ
     だる-い」だった。7/12にいろいろ書いたけれど、「ひだるい」が方
     言であると考えていた自分に強烈な事実。訓読みを与えられているのは、
     共通語であったことの証拠である。
      記念に大きな文字で残しておきたい。

      

      今の心境でもある。
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7/20  銀行を数えるときには「行」を使う。昨日も、「153行」などと使ってい
     た。銀行だって会社なのだから、「153社」と言えばいいのに、どうして
     なのか。それに、銀行員は勤めている銀行のことを「当行では……」な
     どと呼ぶ。格好良く使っているなあと思うが、「行」って、なんだろう。
      ボクの勘だが、銀を扱っている「行」だから「銀行」なのではないか
     と思う。銀を扱わない、何か別のもの専門の「行」を発見したら、少し
     はこのもやもやが晴れるのではないかと思う。切手など「発行」するの
     も、呼び名に関係するのかもしれない。「行」ってなんだろう。
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7/19  岐阜には十六銀行という銀行がある。小さいころはその名前に何とも
     言えない違和感を感じていたが、これは国から紙幣発行を委託された銀
     行のうち、全国で十六番目に作られたものということらしい。だから十
     六銀行。こんな番号付きの銀行が、全国に153行もあったという。
      さて、この十六銀行、「16銀行」と書くことがあるようだが、ぼく
     は賛成しない。なぜなら「イチロク銀行」と読めるからだ。
      そもそも「イチロク銀行」とは、「質屋」のことだ。「1+6=7」
     だからだという。だから、「16銀行」と書かれると、金を預けに行く
     のか
借りに行くのか分からず、不便になると想像されるのだ。あくまで「十六銀行」
        と名乗ってほしい。
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7/18  ネギという字は「葱」と書くが、どうやら昔からこう書いてこう読ん
     でいたわけではないらしい。古くは「葱」は、「き」と一文字で読んで、
     その「き」にもいろいろな種類があったらしい。
      夕べも素麺の汁に「わけぎ」が浮かんでいたが、これは「分葱」と書
     く。以下、インフォシーク辞書からの引用である。

     あさつき 【浅葱/〈胡葱〉】
      ユリ科の多年草。高さ約30センチメートル。葉は細い筒状。ネギ類に
      属し、各地の山野に自生するが、野菜として栽培され、葉や鱗茎を食
      用とする。せんぼんわけぎ。[季]春。
     わけぎ  【分葱】
      ユリ科の野菜。ネギの変種。中国を経て古く渡来。葉はネギより細く
      淡緑色で高さ約30センチメートル。鱗茎(りんけい)は白色でほとんど
      ふくらまない。和名は株分けで繁殖させることから。古名、冬葱(ふ
      ゆき)。[季]春。
     あきき  【秋葱】
      秋のネギ。二本の茎が並んで薄皮に包まれていることから、「ふたご
      もり」と続けて用いる。
     ねぎ   【葱】
      ユリ科の多年草。シベリア南西部原産といい、古く中国を経て日本に
      渡来。葉は中空の円筒形で緑色。基部は白く莢(さや)となって巻き合
      う。花茎の頂に「ねぎぼうず」といわれる白色小花を多数散状につけ
      る。主に関東では軟白化した白色部を、関西では軟白化せず緑色部を
      食用とする。ナガネギ。ネブカ。ヒトモジ。古名、き。[季]冬。

      昨日書いた「浅葱色」が、「あさつき」の色だったことも分かったが、
     「ねぎ」の説明に「ネブカ」とあるのが目にとまった。
      そういえば子どものころ、母はネギのことを「ネブカ」と呼んでいた。
     根が深いからネブカなのだ。すると「ネギ」とは、「根」の部分の立派
     な「き」なのだろう。きっと正しくは、「根葱」と書くところなのだ。
      それはそうとして、ネギのどこを食べるかが地方によって決まってい
     るとは知らなかった。しかし、うちは中部地方なので、白いところも緑
     のところも、どちらもいただきである。

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7/17  浅黄色の紙を買ってこいと言われて、文房具店で迷ったことがある。
     「浅黄」の表示の引き出しにあるのは、なんだか緑色の紙ばかり。「浅
     黄」というからには、薄い黄色でなければならないのに、どうして緑色
     か。じっくり見ていると黄色が混じって見えるのかと思ったが、いつま
     で見つめても緑は緑だった。
      インフォシーク辞書によれば、
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     あさぎ 【浅葱】
      薄い葱の葉の色の意。「浅黄」は当て字
     ----------------------------------------------------------------
     とあるではないか。当て字でも「黄」と書くなと言いたい。間違いのもと
     だ。きちんと「浅葱」と書いてあれば、読めないことはあっても意味の
     間違いはないはずだ。
      さて、その色合いはというと、
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     (1)わずかに緑色を帯びた薄い青。また、青みをおびた薄い緑色。
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      要するに「青緑」なのだ。少しも黄色くない。一方、「もえぎいろ」
     を調べると、
     ----------------------------------------------------------------
     もえぎ 【萌黄/萌葱】
     (1)やや黄色みを帯びた緑色。
     ----------------------------------------------------------------
      これは黄緑ということか。少しの違いが大違い。「萌黄は当て字」と
     書いてほしくもある。たまたま黄色が混じっているだけじゃないか。
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7/16  「親指」は「母指」であると書いたところだが、「まてよ」と思った。
     そもそも、子どものころには「お父さん指」「お母さん指」という呼び
     名があったはずだ。で、親指が「お父さん指」だったはずだが、これは
     「母指」とされている。
      親と言ったら「母」だという構図ができあがっている。世の中の父親
     は身の程を知らねばなるまい。
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7/15  ふとしたことから、指の名前が気になった。ボクたちの指には、ちゃ
     んとした名前がついていたのだ。
    
      一般表現   親指 人差し指 中指 薬指 小指
              ↓   ↓   ↓  ↓  ↓
      医学用語   母指  示指  中指 環指 小指

      薬指は指輪をはめるので、「環指」なんて呼ばれるようだ。そうでなく
     ても「薬指」なんて異質だと思っていたのだが、ますますおかしい。
      ところで、「ひとさしゆび」は、変換すると、「人指し指」という候補も
     挙がってくる。そもそもの意味からすると、こちらの方が正しいのだろ
     う。しかし、なんだかおかしいからか、「人差し指」が使われる。また、
     「指差す」というのも、本当は「指指す」なのだろうけれど、指が何本も重
     なり合っているみたいで不気味だからか、そんな使い方はされない。
      こういうことには、それを決めた人がいるはずだが、いろいろと考え
     たのだと思う。
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7/14  阪神の優勝マジックが話題になっている。セ・リーグ史上最速の点灯
     だそうだ。……マジックねえ。
      なんだそりゃ、と思ったのは小学生のころだった。野球に興味のある
     子が巨人のマジック点灯を喜んでいたのだが、ボクは優勝が迫ってくる
     ことなんて面白くなかった。
      さて今年、セ・リーグを独走する阪神タイガースは、8日の広島戦を
     8−4で勝利し、これを追う巨人が敗れたため、優勝へのマジックナン
     バーは「49」となったという。その後の数字はよく分からない。相変わら
     ずさほど興味がないのだ。
      野球に気持ちの動かない人たちのために、ボクなりに調べてみた。

     マジック-ナンバー 〔和 magic+number〕
     (1) スポーツのリーグ戦で第二位のチームが残り試合に全勝した場合で
      も、第一位のチームが優勝できる勝ち試合の数。(infoseek辞書)

      つまり、マジック49なら、「あと49勝したら、他のチームは絶対追い
     つかないから、優勝決定」ということ。
      プロ野球とは、残りのマジックをゼロに近づけていくことを目的に行
     うものだ。
      マジックが減っていくには、自チームが1勝することのほかに、2位
     のチームが負けることなどがある。今、戦っている試合に勝ったわけで
     もないのに、2位のチームが負けたと知るや、優勝ムードになってしま
     うあたりは、ボクには納得いかないところだ。行われている試合や相手
     チームをないがしろにする発想だと思う。
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7/13  岐阜では夕方から夜8時ぐらいまでの時間帯を「ようさ」という。子
     どものころ、宿題を忘れると、「なんでようさのうちにやっとかなんだ」 
     と叱られたものだ。 
      この言葉もまた、平安時代の言葉のようだ。インフォシーク辞書によ 
     れば、 
     ----------------------------------------------------------------
     ようさり-つかた【▽夜さりつ方】
      夜がやってきた時分。夕方。  
     「夜さりつ方、二条院へわたり給はむとて/源氏(若菜下)」 
     ----------------------------------------------------------------
     よさり     【夜さり】
     〔「さり」は、来る、近づくの意を表す動詞「去る」の連用形から〕 
      
夜になったころ。夜分。特に、今夜・今晩の意を表すこともある。副 
      詞的にも用いられる。ようさり
 
     「さらに、夜さりこの寮(つかさ)にまうで来(こ)とのたまひて/竹取」 

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         使用頻度が高いからだろうか、消えてなくならない言葉だ。必要の多
     い言葉は息が長い。竹取物語の昔にまでさかのぼってしまった。 
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7/12  子どものころのこと、村のお年寄りが「ひだるい」と言うのを聞いて、
     少しも意味が分からなかった。母に聞くと「お腹がすいたということだ 
     よ」という。それならそう言えばいいのに、と思った。どこか具合でも 
     悪いのかと心配になるではないか。……ボクは「だるい」の最上級か何 
     かと勘違いしたのだ。そして、岐阜の方言にとてつもない田舎臭さを感 
     じて、田舎であることを恥ずかしく思った。  
      それから30数年。やがてボクは42歳になり、「ひもじい」という言葉 
     が、空腹を表す古語「ひだるし」の文字詞「ひもじ」に由来することを 
     知った。(ここ) 
      こういう瞬間を出会いというのだと思う。 
      ボクが田舎臭いと感じていた言葉は、日本の歴史のどこかでは都言葉 
     だったのだ。その言葉をもとにして、新しい言葉が生まれていたのだ。 
     田舎はかつての都言葉を保存していることがよくある。岐阜もそうだっ 
     たのだ。  

      いやしかし、だからと言って岐阜が奥床しいわけではない。「ひだる 
     い」とストレートに言うのが恥ずかしいからこそ「ひもじ」という言葉 
     が発明されたのだ。そう、「ひだるい」というのはあけっぴろげの表現 
     なのだ。残念だが、そういうものを奥床しいとは言わない。  
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7/11 「文字詞」が気になって仕方がない。
     『徒然草』第六十二段にこんな文章が見える。 

     (原文)
      延政門院いときなくおはしましける時、院へ参る人に御ことつてとて
 
     申させ給ひける御歌、
 
       ふたつ文字 牛の角文字 すぐな文字 ゆがみ文字とぞ 君は覚ゆる
 
      恋しく思ひ参らせ給ふとなり。
 

     (拙訳)
      延政門院が御幼少でいらっしゃった時に、院に参上する人にことづて 
     (伝言)として頼んで申し上げなさったお歌、
 
      ふたつ文字(こ) 牛の角のような文字(ひ) まっすぐな文字(し) 
      ゆがんだ形の文字(く) そのようにあなた様のことが思われます。
  
      これは、院のことを恋しくお思い申し上げなさっているという内容で
 
     ある。
 
      延政門院は後嵯峨院(1220〜72)の皇女である。これは父に送った手紙 
     だと読み取ったが、そうだとしたら、上出来の内容である。「こひしく 
     (こいしく)思う」だって。 
      現代に生きる父親としては、こんな手紙をもらった日には、携帯でも 
     なんでも、欲しいものを買ってあげたくなると言うものだ。  
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7/10 「文字詞」の一覧を作ってみた。

     いそもじ   いもじ     うしのつのもじ おかもじ     
     おきもじ    おすいもじ  おすもじ    おはもじ    
     おめもじ   かもじ     かもじ     くもじ     
     くろもじ    ごげんもじ  ごしんもじ   ごすいもじ 
      ごそくもじ  こもじ    さもじ     しゃもじ 
     すぐなもじ  すもじ    そもじ      にもじ 
     ぬもじ     ねもじ    のもじ     はもじ 
     ひともじ    ひもじ    ふたつもじ    ふたもじ 
     ふもじ     ほもじ    めもじ     ゆがみもじ 
     ゆもじ     わもじ      

     詳しく知りたい人はここをクリック!
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7/9   遠慮や恥ずかしさのため、したいことができずに落ち着かない様子を、 
     ボクたちはなんと表現しているだろうか。 
      正解は「もじもじ(する)」である。 
      いやしかし、おかしな言葉ではないか。「もじもじ」なんて。そもそ 
     も「もじもじ」とは、何を表しているのか。 
 
      ボクの考えを公開しておきたい。ボクは、これを「文字文字」と考え 
     た。かなりまじめに、である。 
      今ほど男女の間がオープンではなかったころ、恋しい人と話をすると 
     胸がドキドキして、「お目にかかれた」「ああ恥ずかしい」「ご親切に 
     声をかけてくださって」「ニンニク臭くないかしら」などさまざまなこ 
     とが頭の中を去来して、ずいぶん緊張したはずだ。 
      これを江戸時代の女房言葉で言うと「お目文字できたが、おは文字で、 

     ご親文字
にも声をかけてくださったが、に文字の臭いはないかしら」な 
     どということになる。 
      ・お目文字=お目にかかる 
      ・おは文字=はずかしい 
      ・ご親文字=ご親切 
      ・に 文 字=にんにく  
      昨日書いたとおり、これらを文字詞という。言葉の初めの部分と「文 
     字」という言葉を組み合わせて表現するのだ。 
      要するに、そんな恥ずかしさの中、くねくねしながら、「ああ、お目 
     もじ……」「ああ、おは文字」とやっている姿が「モジモジしている」 
     のだと思う。 
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7/8   以前、本欄で「しゃもじ」について触れた折りに、「文字詞」という 
     ものがあったことを書いた。ものごとはっきり伝えるのがはばかられる 
     場合などに用いられたもので、女房言葉として始まったものが次第に庶 
     民にまで広められたものらしい。 
      人前で言うと恥ずかしいものには、「ニンニク」とか「ねぎ」などが 
     あった。においの強い食べ物のことを言うのは、女性としてはやはりは 
     ばかられたようだ。だから、ギョーザの好きな女性はおかしいと思われ 
     るわけだ。 
      そういうわけだから、「ニンニク」は名前を伏せて「に文字」と言っ 
     た。「ねぎ」は古くは「き」と一文字で言ったので「ひともじ」、「ニ 
     ラ」はふたもじなので「ふたもじ」と呼んだという次第である。 
      ましてや「酒」なんてものは頭文字を取るぐらいでは収まらず、なん 
     と「くもじ」と呼ばれている。三三九度で、つまり九献(くこん)だから、 
     その頭を取って「くもじ」である。ややこしいが奥床しくもある。 
      言いにくいことをごまかして言えるというのは便利なものかも知れな 
     い。 

     「どうだった? 今日のテ文字 
     「うん、さっぱりわ文字だったわ」 
     「そう、お互いか文字がうるさいからたまらないわね」 

      以上は創作であるが、気持ちは伝わったと思う。 
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7/7   次の球技を漢字で書くとどうなるであろうか。
      答えを見たい人は、左の★マークあたりで左クリックし、そのま
       まから右下に向けて引っ張って(ドラッグして)みて下さい。
      baseball(ベースボール)……………… 野球(やきゅう) 
      basketball(バスケットボール)…… 籠球(ろうきゅう) 
      basketball(バスケットボール)……… 籃球(らんきゅう) 
      volleyball(バレーボール)…………… 排球(はいきゅう) 
      tennis(テニス)………………………… 庭球(ていきゅう) 
      table tennis(テーブル・テニス)…… 卓球(たっきゅう) 
      handball(ハンドボール)……………… 送球(そうきゅう) 
      dodgeball(ドッジボール) …………… 避球(ひきゅう) 
      ice hockey(アイス・ホッケー)……… 氷球(ひょうきゅう) 
      water polo(ウォーター・ポロ)……… 水球(すいきゅう) 
      billiards(ビリヤード) ……………… 撞球(どうきゅう) 

      確かにバレーボールは「球を自陣から排除する」ことが目的のゲーム 
     なのだが、かといって「排球」と書かれると、アタックを打ち込む迫力 
     がそがれる気がする。ドッジボールも、ゲームの目的は「相手にボール 
     をぶつける」ことだと思うのだが、「避球」と書かれると、双方ともに 
     逃げてばかりいる感じ。へなちょこスポーツの色合いが濃い。そんな名 
     前より、ドッジボールには堂々としたネーミングがほしい。 
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7/6   よく考えると、「フットボール」はサッカーとラグビー以外にもあった。
     「アメリカンフットボール」である。 
      ボクは中学のころ、「蹴球」という字を覚えて得意になっていたこと 
     があったが、ラグビーやアメフトもやはり「蹴球」なのだろうか。手で 
     運んだりするところを見ると、違うのではないかと思うのだが……と考 
     えているより、調べた方が早い。 

     (調べ中)……(完了)

      分かったこと。ラグビーには「闘球(とうきゅう)」、アメフトには 
     「鎧球(がいきゅう)」という呼び名がある。鎧を着て戦うスポーツな 
     んて、なんだか格好いいじゃないか。フットボールとか言いながら、手 
     段を選ばないパワー感。こうなると、普通の「サッカー」なんてものが 
     迫力のないものに思えてくる。タックルとかしたら、反則だもの。 
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7/5   この間、期末テストの監督をしていたら、放送による問題が流れてき
     た。英語のテストだったのである。 

      SOCCER - SOCCER - SOCCER - SOCCER (……繰り返しであった)

      ボクが中学生のころ、テープの人は「サッカー」と発音していたのに、
     このテープでは「ソッカー」と言っていた。こう発音してくれればもっ 
     と早くにこの言葉を覚えたものを。 
      いや、そんなことより、ボクにとって問題は、サッカーチームのこと 
     を「ナントカF.C」と呼ぶことの不自然さにある。「F.C」が「フットボー 
     ル・チーム」の略であることなんか、だれでも知っている(少しウソ)。 
     そう、みんなが「あれって、フットボール・チームってことだよな」と 
     思いながら、自分たちの競技のことをいつまでも「サッカー」と呼んで 
     いることがおかしいのだ。あれはどの国に行っても「サッカー」なのだ 
     ろうか。 
      外国人講師のKATEに聞こうかと思ったが、通じない可能性があるので、 
     まずは自分で調べてみようと思う。 

      1863年にロンドンのフットボール協会が、ボールを持つことが許され 
     る「rugby football(ラグビー・フットボール←発祥地に由来)」と、 
     足のみ使える「association football(アソシエーション・フットボー 
     ル=協会式フットボール)」とに分けて、ルールを統一したということ 
     だ。この「association」を当時の学生が短縮た俗語が「soccer」という 
     単語なのだそうだ。わははは、サッカーって、もともとは俗語だったの 
     か。正式にはやはり、「フットボール」だ。 
      ということは、省略の仕方によっては、今の「soccer」ではなくて、 
     「asoccer」という形も可能性があったということだ。 

      あそっかあ。

      それが言いたくてこんなことを書いたと思って頂いて一向にかまわな
     い。 
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7/4   「定家かなづかひ」というものがあるようだ。初めて分かったこの事 
     実。そこでは「香り」は「かほり」となるようだ。「いいのか」と思う。 
     個人の趣味で仮名遣いまで変えていいのか。いつだったか本欄で、「よ 
     ゐこ」の仮名遣いの間違いを指摘したことがあったが、これはそれとは 
     比べようもない重大事。なんといっても、日本文化に絶大な影響を与え 
     た、あの定家のしたことなのだ。定家だぞ、定家。無責任なことをして 
     もらっては困る。  
      まあ、そんなわけで、「かほり」は、鎌倉時代のかなづかいだと言え 
     なくもなかろう。しかし、近代・現代の歴史的かなづかいでは「香り」 
     や「薫り」は「かをり」なのだから、やはりまずいことだ。 
      国語辞典の「言海」(昭和4年、第15版)にも「かほり」「かほる」と 
     いう項があり、それぞれ「かをりノ誤」「かをるノ誤」とある。そのこ 
     ろも間違えて「かほり」とか書いてしまう人がいたのだろう。 
      現代のボクたちにとって大切なのは、間違いと知っていて使っている 
     かどうかだ。(自分自身、知らなかったクセに)  
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7/3   愛用の「Atok16」には、表現モードがいくつもある。 
       1.「一般」 
       2.「話し言葉」 
       3.「話し言葉関西」 
       4.「話し言葉九州」 
       5.「話し言葉北海道東北」 
       6.「文語」 
      名古屋弁モードがないのは残念なところだ。さて、このうち、ボクに 
     縁が深いのは「文語」モードである。 
      さきほどのことだ。昨日のコラムをいじろうと「文語」モードで作業 
     していた。そこで「明日香」の「香」の字を単独でを出そうとしたのだ 
     が、「かほり」を変換しても出てこなかった。あれこれやってみたが、 
     「かをり」と打ち込んだ場合だけ、「香り」として現れる。あれれ?  
     どうして? 
      調べてみると確かに「かをり」が正解のようだ。でも、人の名前には 
     使っている気がする。同級生にもいたはず。「かほりちゃん」や「かほる 
     ちゃん」。ボクもショックだが、これを知ったら当人はもっとショック 
     なはず。間違った仮名遣いだったとしたら、訴えたくなるかもしれない。 
      小椋圭という銀行マン兼シンガーソングライターの書いた歌に「シク 
     ラメンのかほり」という曲もあったが、あの歌だって社会的責任は大き 
     い。布施明も熱唱したし、カラオケでもよくはやった。 
      いったい、いつごろこんな間違いが発生したのか。いや、これは間違 
     いといってよいものかどうかもまだ分からない。ボクの捜査のメスが動 
     き始めた。 
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7/2   昨日の続きだが、今度は「飛鳥」について。この言葉もいったいどう 
     いうわけで「アスカ」なのかだ。 
      6/13に書いたことだが、天武天皇は、672年に即位している。14年 
     間は元号を定めなかったが、686年7月に初めて「朱鳥」と定め、その皇 
     居も「飛鳥浄御原宮」と改称された。そもそもその所在地は「明日香(あ 
     すか)」と言ったのだが、ここに「飛ぶ鳥の」という枕詞が乗せられるよ 
     うになったのだという。そんなことから、「飛鳥」と書いて「あすか」 
     と読ませる表記が生まれたらしい。 
      それは納得できることだが、気になるのは、即位しても元号を定めな 
     かった天皇が突然「朱鳥」なんて元号つけたり、自宅の名前を急に変え 
     たりした理由だ。それまで「明日香」と言っていたのに、急に「飛鳥」 
     とか呼んだりしたら、混乱するだろうに。 
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      世の中はなにか常なる明日香川 昨日の淵ぞ今日は瀬となる 
                             よみひとしらず
      昨日といひ今日とくらして明日香川 流れてはやき月日なりけり 
                             春道列樹
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      こちらは古今和歌集だが、歌枕としての飛鳥川も大変元気だ。
      「昨日」「今日」「明日香川」とやっている。馬鹿馬鹿しいことだが、こ 
     ういうのが画期的で面白かった時代なのだから仕方がない。 
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7/1   昨日の続き。

      さて、「初瀬(泊瀬)」は長い渓谷に挟まれた場所だという。「瀬」と 
     いうのは川の流れの急なところのことを言うので、こんな名前がついた 
     場所が長い谷に囲まれていることぐらいは想像がつく。 
      そういうわけで、歌で初瀬のことを詠むときには、枕詞として「長谷 
     (ながたに)の」を使うようになったのだという。そのうち、「長谷」と 
     書くと「はつせ」と連想がくるようになり、やがて「長谷」そのものを 
     「はつせ」と読むようになったのだと。「つ」の字は時代とともに消え 
     ていったとか。つまり枕詞が地名を乗っ取ってしまったわけだ。 
      なになに。ということは、そこに寺があろうがなかろうが、そんなこ 
     ととは無関係に「初瀬」は「長谷」だったのか。そして、「はせでら」 
     は、「はせ」にあるので「はせでら」と呼ばれるようになったのか。そ 
     もそもは「ちょうこくじ」である。ややこしい話。 
      書いていて疲れたが、読んでいてもきっと疲れることだろうと思う。 
     一回で分かる文章が書けるようになりたい。 
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     過去文 2003年   2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
         2004年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
         2005年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月