令和元年度 国語科実践論文「ぎふこくご賞」

 入賞者


 ぎふこくご賞 加藤 寿志 先生 (大垣市立赤坂中学校)

  日本国語教育学会 岐阜県支部
   岐阜研修大会
    文化会模擬授業
   「俳句の可能性」の記録

 名句を鑑賞したり、俳句を創作して応募したりする従来の俳句の授業から脱却し、名句を生徒が互いに批評したり、俳句を添削したりする授業に挑戦された実践である。テレビ番組の「プレバト」の手法を取り入れ、「楽しく、ためになる授業」を一貫して追求している。
 参考にしたい点を3点挙げる。
 @ 「導入」で、「三つの俳句をどう修正すると良いか」を考えさせ、添削する視点を把握させている。
 A「展開」で、穴埋め形式で俳句を完成させたり、好きな俳句の良さについて根拠を明確にしながら説明させたりするなど、俳句に抵抗を感じさせない工夫をしている。
 B自ら俳句に親しむ中から、批評の仕方や創作の方法を学び取り、それを授業実践に活かしている。
 従来の俳句の授業をよりアクティブに、より魅力的にする工夫が散りばめられ、生徒だけでなく大人も楽しめる素晴らしい実践である。


 ぎふこくご賞 加藤 祐輝 先生 (岐阜市立加納中学校)

  適切に表現できる力を培う国語科指導
  〜言葉に着目して、自分の考えを広げたり深めたりする〜

  「話すこと・聞くこと」領域の、「話し合い」の授業実践である。
 参考にしたい点を4点挙げる。
 @生徒の実態やレディネステストの活用から「言葉を正しく理解し、自分の考えを形成する力」「語彙や表現方法を豊かにして、言葉を通じて伝えあう」力の必要性を確認している。
 A「話し合い」のテーマに必然性を持たせるために、生徒の疑問、課題意識からテーマを決定している。
 B聞き手が他者の意見に対して「共通点」「相違点」「質問」「その他」の四面で成り立つ立札を用いるなどの工夫で、情報を可視化し、着眼点を明確にしている。
 C「学習を振り返る活動の在り方」の工夫として、2年生の「パネル・ディスカッション」では、「振り返りの書き方」を示すなど、思考の流れを整理する工夫を施している。
 「指導計画」と「授業づくり」「学習の振り返りの在り方」の3点を工夫しながら、他者と通じ合う力を育成する素晴らしい実践である。


 奨励賞   林 里美 先生 (恵那市立上矢作中学校)

 少人数の中で仲間と協働し学びが定着する授業
 〜「読むこと」を中心に国語が好きな生徒の育成をめざして〜


 奨励賞   河村 陽介 先生(御嵩町立上之郷中学校)

 考えの形成、共有をするために「話し合う」生徒を育てるための国語科指導
 〜主体性・人間関係力・表現力の育成を通して〜


表彰式と実践発表









 なお、当日は、ぎふこくご賞受賞の加納中学校 加藤祐輝先生はご欠席でした。